あの頃の想いをもう一度

「寝たのかな?」

ちょっと不安になって、リビングを覗くと、遼河はちゃんとそこにいた。

「居たなら返事してよ…」

でも、遼河の後ろ姿は何かに集中しているみたいだった。

「遼河?」

「……」

今度は、近くで名前を呼んでみた。

しかし、返事は返ってこない。

「もぅ!」

私は、遼河の正面に立つ。

「…あれ?出たんだ」

やっと私の存在に気づいた。

「さっきから声かけてたんだけど!」

私は、腰に手を当てる。

「ごめん、気づかなかった」

「べ、別にいいけど、何やってたの?」

遼河の目の前には、さっきのノートが置かれていた。

「宿題なの?」

「いや、自習ノート」

「自習ノート?今日やったことでも復習してるの?」

「まあな、成績トップ狙ってるから」

「トップ取ってどうするの?」

私は前の学校で常にトップだったし、トップになっても特に楽しいこととか、嬉しいこととかなかったし。

「特に何も無いよ、親父との約束だから」

「約束?」

「常に十番以内にいろって言われてるんだ」

「ふーん」

遼河の家って、結構厳しいんだ。

「お前は?親に何も言われないの?」

「私は特に、前の学校では常に一位だったし、授業は一回聞けば理解出来たから、自習とかしてなかった」

私がそう言うと、遼河は目を見開いて私を見てきた。