あの頃の想いをもう一度

「あー、ごめん手が滑ったでよくね?」

「簡単?!しかも棒読み!」

「そんな細かく理由言うより、簡潔に答えればいいんだよ」

だ、だからってそれは感情がこもってなさすぎだって。

「それか、自分で考えろ」

「わ、分かったよ」

「あ、あと俺これから授業受けてくるから」

「え、これから?」

時計を見ると、針は十二時を指そうとしていた。

「半日だけ休み貰ってるんだ。午後は休めない」

「意外と真面目なんだね」

「今なんか言ったか?」

「いえ、何も……」

視線が痛い。

「そういえば、今思ったけどさ」

「な、なに?」

「さっき俺がお前に触れた時、何で投げ飛ばさなかったの?」

「えっ?!」

本人に一番聞かれたくないことを聞かれた。

「あ、あれは緊張していて、手が動かなかったというか、変なふうになったというか」

「変なふうに?」

じ、自分で墓穴ほった!

「へ、変なふうって言うのは、特に意味なくて、ドキドキしていたとか、そんな事全然なくて!」

「ドキドキしていた?」

あー、一番言っちゃいけないことを言った!

絶対誤解した!

てゆか、頭の中がぐちゃくちゃだ!

「だ、だからってあんたの事を好きとか、そんなんじゃないからね!ドキドキって言っても、緊張のドキドキだからね!」

顔を真っ赤にしてそう言う。

な、何とか誤魔化せたかな?

「ふーん」

何その疑うような目は!!