あの頃の想いをもう一度

遼河は、何一つ表情を変えない。

こっちは恥ずかしいと思っているのに!

ここで私は、一つ疑問が浮かんだ。

遼河は、女に慣れているのかな?

「…なに?」

「えっ?!

「なんか、悩んでいるように見えたから」

「そんなふうに見えてた?」

でも、流石にこの疑問を本人に聞くのはまずいかと…。

「た、大したことじゃないから大丈夫!」

「あっそ、ならいい」

なんか、私に対して素っ気なくなってない?

さっきまであんな紳士的笑顔を作っていたのに。

(あれは、何処に行ったのか…)

あれでいれば絶対モテルと思うけど。

「次こっちから質問するから、ちゃんと答えろよ」

「う、うん」

切り替えよ!今は集中しなくちゃ!

「名前を教えてください」

「春屋皐月です」

「好きな食べ物は?」

「うーん…、特にありません」

「趣味は?」

「えっと…、花を眺めること」

「花を眺めること?」

そ、それ聞いてくるの?

「何ていうか、花を眺めてると、心がリラックスするんだよね」

「ふーん、意外だな」

「そんなに意外に見えるの?」

「あぁ見えるよ」

そ、そんなズバッと言わなくても。

「何の花が好きなの?」

「え?そうだなぁ…」

私の中で一つの花が浮かぶ。

「スノードロップかな?」

「スノードロップ?聞いたことないな」

「西洋の花だからね。花言葉は、『希望』と『慰め』。私の誕生花でもあるから、一番好きな花かも」

私にとっての『希望』は、恋心を取り戻すことと、この体質を治せるならば治したい。

『慰め』は、私の心を慰めてくれること。

スノードロップを見ていると、悲しかったことや、苦しかったことが、元気へと変わるんだ。