あの頃の想いをもう一度

「それでは、私も失礼しますね」

理事長も月子の後に続いて、部屋から出て行こうとしている。

何故理事長まで出て行くの?! 

……いや、居てもらうよりは、居ない方が良いけど、今こいつと二人きりになる方が一番嫌だ!
 
虚しくも私の心の声は届かず、私と遼河を残して、みんなは部屋から出て行ってしまった。

「これで、二人きりだな」

「あ、あなたと二人きりなんて……!」

机を挟んでお互いに睨み合う。

どうすれば、ここから出られる? 

どうすれば、この男を撒くことが出来る? 

必死に頭の中で思考を巡らせながら、あちこちに目を向けてみる。

しかし、ここは三階にある部屋だ。

窓から飛び降りて逃げることはまず出来ない。

だとすれば、ここから唯一出られる扉があるとすれば、最初に入って来たあの扉だけとなってしまうのだ。

「大人しく話を聞けっての!」