あの頃の想いをもう一度

軽く笑った彼は、私の近くへと歩いて来る。

「久しぶりだな、皐月」
 
【久しぶり】と言われた彼に、見覚えのない私は、小さく首を傾げた。

そして直ぐに、彼から発せられる、神々しいオーラに気が付き後ずさる。
 
な、何だこの男は……! 

まるでフェロモンの塊ではないか! 

私が最も苦手とする男、ナンバーワン! 

いや……違う。

大嫌いな男ナンバーワン!

「あれ? もしかして、俺のこと覚えていないのか?」
 
更に追い打ちをかけるように、紳士的笑顔を繰り出し、周りにいたメイドたちの数人はノックアウトになった。

「お、お前なんか知らない! それ以上私に近寄るな!」
 
私はいつの間にか、本棚の上まで避難していた。

それ程までに、見るのも近寄るのも嫌なのだ。