あの頃の想いをもう一度

☆ ☆ ☆

それから数分後――

「とてもお似合いですよ。お嬢様!」

「……は、はは」
 
メイドたちの総力を上げ、私は男装をさせられたのだ。

男嫌いなのに、何故私がこんな格好をしなければならないのだ。

「何で私が男の制服なんか……」

「男子校ですから、それは我慢してください」

別に男子校でなくても、良かったのでは? と内心思いつつ、鏡に映る自分の姿をじっと見つめた。

本当に上手く化けたものだ。

意外とかっこいい……。

長かった黒髪のロングは、黒髪のショートへと変わり、女顔だとばれないよう、顔には青い眼鏡をかけた。