「これから俺たち、カラオケ行くんだけどさ、良かったら一緒に行かない?」

男たちの誘いも虚しく、彼女は男たちを無視するとそのまま横を通り過ぎて行く。

それに慌てた男たちも、彼女の後を追いかける。
「ちょ、ちょっと待ってよ!」

どうしても彼女を連れて行きたいのか、男たちは彼女が逃げられないように囲んだ。

足を止めた彼女は、口を開くと言う。

「どいて?」

どすの利いた低い声でそう言う。

しかし男たちは気にすることなく、彼女の手首を掴んだ。

「なあ、一緒に行こうぜ?」
 
彼らは最初の犠牲者と言ってもいいだろう。

男が手首を掴んだ時、男はいつの間にか宙を飛んでいたのだ。

「いってぇ!」