あの頃の想いをもう一度

「ねえ、嘘だって言ってよ! 私まだ十七歳よ! まだ結婚出来る年齢じゃないのよ?!」

「た、確かにそうですが、婚約という形を取り、お嬢様が十八際になられた時に、籍を入れると決まっております」
 
げっ! 

もうそこまで話が進んでるの?! 

月子の話を聞いた私を、酷い目眩が襲った。

この体質は治したいよ。

でも、治したら治したで、見ず知らずの男とのお見合いが待ってる……。

「もう……嫌だ。……死にたい」

私は部屋の隅で小さく蹲り、カタカタと震えてぶつぶつと念仏のように、そう唱えていた。

その姿を見かねた月子は、軽く息を吐いた後に言う。

「なら、こうしましょう。お嬢様が一ヶ月以内に、その体質を治したら、お見合いの話しはなかったことにします」

「えっ!」