あの頃の想いをもう一度

「それでしたら、早くその体質を治してください。お嬢様には、体質を治して頂いた後に、お見合いをしてもらうことになっておりますので」

「えっ……お見合い?」

私の頭の上をブーケを持った鳥たちが、祝福するように飛び交い、【お見合い】という言葉が私の中でグルグル回った。

お見合い?

お見合い……?

お見合い……。

「あっ! お見合いか……って! そんなもの、するわけないでしょ! 冗談も程々にしてよ!!」

流石に月子でも、言っていい冗談と悪い冗談がある。

お見合いをしてもらうとか、そんな脅すようなことを――

「いえ、事実です」

「……うそぅ!!」

冗談じゃないの?! 

そう思って私は月子の体を前後に揺らす。