あの頃の想いをもう一度

「それでは、本題に入らせて頂きます」
 
月子はかけている眼鏡をクイッと上げると、とんでもないことを言い放った。

「お嬢様のこの体質、治るまでこの学校を通わせて頂きます」

「なあああっ?!」
 
その言葉を聞いた私は、慌てて立ち上がり月子の肩に手を置いた。

「ななな、何て恐ろしいことを口にするのよ!」

「これは、奥様と話し合い、出た結論ですので、覆すことは出来ません」

「そ、そこじゃなくて! 私は一ヶ月間だけ、この学校に通うって聞いてるのよ! それなのに、この体質が治るまで通うだなんて……」

一ヶ月以上この学校通うだなんて、そんなこと絶対に無理だ。

そもそも、一ヶ月どころか一日持つすら分からないこの状況で、月子はとんでもないことを口走ったのだ。

何としてでも、それだけは阻止せねば。