あの頃の想いをもう一度

「そ、それは…」

顔から湯気が上がる。

忘れたいのに忘れられない、隼人からのキス。

「良かった覚えててくれて」

そんな私の顔を、隼人は覗き込む。

「昨日は、本当に嬉しかったんだ。また、こうして皐月と話せる」

「隼人…」

隼人は、私の手を握る。

「もちろん、僕が言った昨日の気持ちは、嘘じゃない」

隼人も、頬を染めて私を見てくる。

「わ、私も嬉しいよ…」

「それは、どういう意味?」

「ええっと!」

駄目だ頭の中がぐちゃぐちゃだ!

思考が追いつかないし、整理も出来ない!

「確かめてみる?」

「へ?!」

隼人は、私に顔を近付けてくる。

「ちょっ!駄目だって!私今風邪ひいてるし、もしかしたら移っちゃうかも!」

「皐月から貰った風邪なら、嬉しいかな」

「そ、そんなぁ…!」

隼人の手が、私の顎を抑える。

「目、閉じて」

凄く優しい声だった。

私は、ぎゅっと目を瞑る。

そして、隼人と私の唇が触れそうになった時。

「おいっ!!!」

「いたっ!」

隼人の頭に何か重いものが投げつけられた。