あの頃の想いをもう一度

えーっと、遼河の好きなものは――

ピンポーン。

「ん?誰だろ?」

何か最近お客さん多いっていうか…。

「はっ!」

私は、ここである事に気づいた。

「私…、カツラ被ってない!」

私は、さっき干したばかりの下着を掴んで、部屋へと急いで戻る。

ピンポーン。

「ちょっと待っててー!」

急いでカツラを固定し、眼鏡をかける。

部屋の扉を勢いよく閉め、玄関の扉を静かに開ける。

「はぁ…、どちら様?」

多分今の私の顔は、どっと疲れたになってるだろう。

「なんだ、起きてるんじゃん」

「え、何で?!」

そこには、隼人が私服姿で立っていた。

「何で隼人がここに?学校は?」

「僕特進科だから、学校行っても行かなくても、どっちでも良いんだよね」

「そ、そういうものなの?」

「そう。だから、皐月達が僕のクラスに来るって知って、数日は学校休んでたんだ」

だ、だから中々会えなかったのか…。

「それで、どうしたの?遼河ならまだ居ないけど」

「遼河に用はないよ、皐月の様子を見に来ただけ」

隼人は、目を細めてじっと私を見てくる。

「昨日高熱出したって聞いたけど、何か熱なさそうに見えるけど」

「さっきまでぐっすり寝てたせいか、体の調子は良いんだ。とりあえず、中に入ってよ」

隼人と一緒にリビングに向かい、私はお茶を用意する。

「別にいいよそんな事しなくても」

「だって、一応お客様だし」

冷蔵庫から冷たい麦茶を取り出す。