【渚流】

「ふふっ、本当に遼河様は面白いですね」

私は、枕元に携帯を放り投げる。

「これで、貴方はわたくしの物です。あとは、貴方が頑張るんですね」

私の部屋に、ある男が入ってくる。

「あの子の体質を直せれば、貴方もようやく彼女に近づける。そうでしょ?」

「もちろんだよ。さすが天塚家のご令嬢、天塚渚流(あまつかなる)様だ」

「そんな事ありませんよ。宋史(そうし)貴方だって、ずっと彼女に触れたがっていましたから」

宋史は、私の近くに来る。

「最初は、親父が変なことするから、あんな体質になったんだ。でも、体質が治ったならこっちのものだ」

宋史は、窓の外を見る。

「皐月は、この蔵屋宋史(くらやそうし)の物だ。遼河何かに渡さない」

「でも、もう一人厄介な人が居るわよ」

「隼人か?あんな奴論外だよ。今のあいつでは、何も俺には出来ないさ」

二人の笑い声が部屋の中に響き渡った。