あの頃の想いをもう一度

【遼河】

「はぁ…」

とりあえず落ち着き、皐月の様子を見る。

「ストレスとか、貯まってたのかな?」

それはそうか…。

いきなりここに連れてこられて、男達の中に放り込まれ、俺達と再開した。

ここに来る前までは、気を張ってずっと暮らしてたんだもんな。

俺は、皐月の髪を優しく撫でる。

「そういえば、昔もこんな事あったっけ?」

俺は、皐月が風邪を引いた時の事を思い出した。

『くしゅんっ!』

『駄目だよ皐月、ちゃんと温かくしなくちゃ』

『だって、遊びたい!』

皐月は、真っ赤な頬を膨らませる。

『馬鹿は安静にしてろよ』

『馬鹿じゃないもん!』

素直に心配だと言えなかった俺は、皐月には酷いことばかり言っていた気がする…。

『遼河!そんな酷いこと言っちゃ駄目だよ』

隼人は、いつも皐月の味方だった。

皐月からしたら、隼人はお兄ちゃんみたいな存在だった所もあると思う。

『だって馬鹿だろ、自分で水浴びといて風邪引くんだからさ』

『それは、遼河が皐月に水をかけたから、水遊びになったんじゃないか』

『うっ!』

隼人は、皐月に布をかける。

『ちゃんと安静にして寝てるんだよ?』

『はーい、隼人は優しくて大好き』

『えっ!』

隼人は、頬を赤く染まらせる。

俺は思わずムッとしてしまった。

『遼河は、意地悪だから嫌い』

『あっそ、俺だってお前みたいなわがまま嫌いだよ』

ついそんな事を言ってしまって、後から後悔した。

皐月が泣きそうになっていたからだ。

『遼河なんて大嫌いだもん!』

皐月は、布を深くまでかぶった。

『もう遼河……』

隼人は、呆れて俺を見てくる。