あの頃の想いをもう一度

【隼人】

「あと隼人君、一ついいかしら?」

「何ですか?」

「女性が苦手なら、女性に慣れる特訓付けてあげようか?」

「…結構です…」

この人、苦手だ。

この人の言う通り、僕は皐月以外の女性は苦手だ。

母親のことや皐月のことで、僕は女性が苦手になってしまった。

だから、さっきこの人が部屋に入ってきた時、思わず壁に寄ってしまった。

それに、さっき言われた事はほぼ図星だ。

遼河の事を信頼していないってわけじゃない。

もちろん信頼しているし、皐月の事を任せてもいいって思ってる。

だけど、僕は遼河の考えが嫌なんだ。

皐月の為に慎重になるのは分かる。

でも、慎重になり過ぎても駄目だ。

僕は、早く皐月の体質を治してあげたいんだ。

そして、本当に好きな人を思い出せてあげたい。

(でも、皐月はやっぱり同じ人を好きになるよ)

皐月は、気づいていないけど、僕は分かる。