あの頃の想いをもう一度

「お前も知ってるだろ!皐月のあの体質は、おじさんのせいでなったんだぞ!」

「そんなの分かってる。でも、皐月はまずおじさんと向き合わないと駄目だ」

「なんでそんな急に…」

「僕は思うんだ」

隼人は、窓の外を見る。

「皐月は、おじさんと向き合わない限り、あの体質は治らないと思う」

「そんなわけないだろ!皐月は、俺達に触れられるようにまで回復してきて――」

「じゃぁ、皐月が他の男に触れた?」

俺の心臓が大きく跳ねる。

隼人の言う通り、皐月はまだ俺達以外の男には触れていない。

「僕達に触れられても、他の男に触れられないんじゃ、そんなの回復したと言えないよ」

「でも、俺は少しずつ治して行きたいんだ!」

「遼河の気持ちも分かる。だけど、それは遼河の甘えだ。ゆっくり体質を治していけば、皐月の体質は治る。でも、それはいつになるか分からない」

「……」

隼人の言う通りだった。

皐月がこの学校に通うのは一ヶ月だけ。

月子さんは、皐月の体質が治るまでこの学校に通わせると言っていたけど、紗知江さんがそうさせるとは思えない。

「期間は限られてる、月子さんに確認とって、おじさんに会わせなくちゃ」

「でも、俺達がそれを勝手に進めるわけにはいかない。皐月の意見も聞かないと」

「……。皐月は、絶対嫌だって言うだろうね」

俺もそう思ってるよ。

「でも、俺は心配なことがある」

「なに?」

「皐月が…、またあの時みたいになったらどうする?」

隼人は、じっと俺を見てくる。