あの頃の想いをもう一度

「どうしたんだよお前」

「いや、驚いただけだ」

樫木先生は、皐月のあちこちを観察している。

「先生、早く治療お願いします」

「分かってます。だから、二人はあちらに行ってて」

何故か片手にメスを持って俺達に威嚇してきている。

仕方なく、隼人と一緒に部屋に戻る。

「あの先生なんなんだ?凄く心配なんだが」

隼人は、両腕を組んで壁に寄りかかる。

「安心しろ、腕は確かだ」

「なら、いいけど」

そこから先会話が途切れ、時計の動く針の音だけが部屋の中に響く。

「なぁ、遼河」

先に言葉を発したのは、隼人だ。

「皐月の体質を治すの、僕も手伝っていいか?」

「何でそんな事を言う?」

「僕は、皐月を傷つけた。こんな僕が皐月に出来る事は、体質を治す手助けぐらいだ」

傷つけた償いとして、体質を治す手助けをしたいか…。

「俺はいいよ。皐月が良いって言ったなら」

「ありがとう。それで、僕から一つ提案がある」

「なんだ?」

隼人の表情が真剣なものへと変わる。

「皐月を、おじさんに会わせよう」

俺は、その言葉に耳を疑った。

「お前…、何言ってんだよ!」

皐月をおじさんに合わせるなんて、そんな事出来るわけない。