あの頃の想いをもう一度

「教えるかばーか!」

隼人は、イラッときたのか僕を睨みつける。

「教えてくれなくてもいいよ、僕が遼河以上にキスするだけだから!」

「上等だ!なら俺は、それ以上キスしてやる」

俺達の間で火花が散る。

ピンポーン。

と、ここで誰かがインターホンを鳴らす。

「こんな時間に誰?」

「医者だよ。さっき親父に呼んでもらったんだ」

「ちゃんと女性の医者だよね?」

隼人の視線が痛い。

「心配するな、女の医者だ」

俺は、玄関に行き扉を開ける。

「こんばんは、樫木先生(かしぎ)」

目の前には、樫木玲奈(かしぎれな)先生がいて、にっこりした表情で俺を見ていた。

「こんばんは遼河君、急にお呼びがかかるから急いで来たんだけど」

そして、俺の頭を強く掴む。

「い、痛いです…」

「でもねぇ遼河君、もう夜中なの先生寝てたの。それで電話来たら普通誰もが怒るわよね?」

この先生、普段は優しい先生なのだが、寝ている時に起こされると、めちゃくちゃ機嫌が悪くなる。

「というか、先生そろそろ男ばかり見るの嫌になってきたのよ、男ばかり」

何故二回も言う。

「なら喜んで下さい。今日は男ではないですから」

「あら?そうなの!」

先生は、俺をその場に残し先に中に入る。

「あらっ!凄く可愛い子じゃない!」

隼人は、驚いたのか壁に寄っていた。