あの頃の想いをもう一度

急いで玄関の方へいき、扉を開ける。

「隼人かよ…」

俺は、隼人の顔を見て溜め息をつく。

「何その反応…、皐月の忘れ物届けに来たのに、まさか溜め息付かれるなんて思ってなかったんだけど」

隼人は、服の入った袋を俺に渡す。

「なんか、焦ってるように見えたけど、何かあったの?」

「それが――」

俺は、隼人に皐月の事を話す。

「それ、僕のせいかもしれない」

「なんで?」

「多分これ言ったら、遼河怒るよ」

怒るようなことを皐月にしたのかよ。

とりあえず、隼人に中に入ってもらった。

「詳しくは言いたくない、でも僕と皐月はプールに落ちただけ言っとく」

「プールに落ちた?!なんで?」

プールに落ちるほど何かあったのか?

俺の中で浮かんだのは、言い合いだが。

「理由は聞かないで、話したくない」

隼人は、言いずらそうに視線を落とした。

「…分かった。理由は、聞かない」

皐月の額に、氷水で冷やしたタオルを当てている。

「それにしても、僕が皐月にキスしただけってのに、嫉妬して皐月にきつくあたるなんて」

「う、うるせぇなぁ!」

隼人は、話の話題を変えたかったのか、今一番突かれたくないところを突かれた。

「でも、分からなくもないよ。その勢いで遼河が僕以上に皐月にキスしたなら、僕も嫉妬するしね」

「うっ…」

あれ、俺皐月と何回キスした……。

これは隼人に知られるわけには行かない。

「それで、何回キスしたの?」

「そこはキスした前提になってんのかよ!」

「だってするでしょ、遼河なら」

僕は遼河と違ってしないとでも言いたいのかこいつは!