あの頃の想いをもう一度

そして気のせいだろうか? 

その姿から威圧らしきものを感じるのは……?

「月子! これは、どういうことなの?」

悪夢ではないなら、一体なんだと言うのだ?

この行為がお母様による悪戯だとしたら、怒るどころではすまないぞ!

「お嬢様、とりあえず理事長室に向かいましょう」

「り、理事長室に?」

なんで? 

と思いつつ、月子に手を引かれながら、男たちの目に付かないように、私たちは理事長室へと向かった。

新しく建ったばかり、ということもあってか、校舎の中はキラキラと光り輝いて見える。

天井は高く、廊下を照らすように間を開けて、小さなシャンデリアが吊るされている。

ここは、本当に学校なのだろうか? と思わせる景色に、私は内心引き気味だった。

そんな私にお構いなしに、月子はづかづかと長い廊下を歩いて行く。

すると、奥の方にポツンとある一つの扉が目に映った。