あの頃の想いをもう一度

皐月に触れたいという願いは叶った。

なら、その後俺はどうするんだ?

「皐月言ってたよ。皐月は、僕達三人でまた昔みたいに笑いあいたいって」

「……」

あいつ、そんなこと言ったのか。

「それなら、尚更俺は皐月に自分の気持ちを言わない」

「何で?」

「俺が皐月に気持ちを伝えたら、皐月は俺達どちらかを選ぶ事になる、そうなれば昔みたいに笑いあえるはずがないだろ!」

「それは、単なる君の思い過ごしにすぎないだろ!」

ちゃんと分かってる。

でも、皐月は。

「遼河が勝手に皐月の気持ちを決めつけるなよ!」

その言葉に俺はハッとした。

「遼河の口ぶりから、皐月は僕を好きになるしかないって言ってるようなものだ!好きな人を決めるのは、皐月自身だ!それを、気持ちを伝える前から諦めてる、お前が決めるな!」

「隼人……」

隼人の言う通り、俺は皐月の好きなやつを勝手に決めつけてた。

それを決めるのは皐月なのに。

「僕にお前の都合を押し付けるな!自分の気持ちから逃げんなよ!」

隼人は、俺の胸ぐらを掴む。

「ここまで僕に言わせたんだ!それでも遼河が皐月に何も言わないなら、皐月の体質を治すのは、僕が引き受ける」

俺は、隼人の手首を掴む。

「そんなの、譲るわけないだろ!」

その言葉に、隼人は笑う。

「なら、言う気になったか?」

「少しな」

「言っとくけど、僕の方が一歩先に言ってるから」

「は?何で」

隼人は、自分の唇に手を当てる。

「皐月のファーストキス、僕が貰ってるか
ら」

「なっ!」

こいつ、俺に宣戦布告する前から行動してんじゃねぇのかよ!

やっぱり、こいつだけには皐月を渡したくない。