私は体を支えながら、とりあえず木の後ろに座り込む。

「何で……こうなったの?!」

確かお母様から手紙をもらって、ここに通うように言われた。

でもここは、地元で有名な金持ちのご子息たちが通う男子校だ。

……私が男子校になんて通うはずがない。

これは私が道を間違えたのだ。

そう思ってもう一度地図を見下ろす。

しかし、何度見返しても、矢印はここを指している。

「これは……悪夢だ!」

私は頭を抱えて唸り始める。

これは何かの手違いなのだ。

男嫌いな私を、お母様が無理矢理こんな場所に通わせるなんて、そんなこと絶対にあり得ないのだ。

「悪夢ではありません」

「つ、月子? それはどういう……」

頭を抱えて唸っている私の隣に、眼鏡を光らせ立っている月子が、腰に手を当て立っていた。