あの頃の想いをもう一度

「どういうこと?」

「僕は、皐月が求める僕じゃないから」

その言葉に、皐月は微笑む。

「私は、どんな隼人だって受け入れるよ」

「…皐月?」

今のは…。

今皐月は、僕を受け入れるって…。

「それに、隼人は昔の隼人のままだよ」

「そ、そんなはずない」

「ううん。だって、さっき屋上で会ったとき」

皐月は、僕の頬に手を当てる。

「隼人が昔のように笑えること、私はちゃんと知ってる」

僕は笑えていたのか?

それが本当なら…。

「…ありがとう皐月」

僕は、皐月に笑いかける。

「また僕は、君に救われた」

皐月は、いつだって僕に光をくれる。

皐月に出会えてよかった。

「でも、僕は君に酷いことを――」

「もう!しつこい!」

皐月の両手が、僕の顔を包む。

「私が良いって思ってるんだから、それでいいの!もう気にしない!」

その言い草が皐月らしくて、僕は思わず笑ってしまった。

「でも、一つ気にしてることが」

「もう、なに?」

「あの屋上で、僕は君に…」

皐月は、目を瞬かせると、顔を真っ赤にした。