あの頃の想いをもう一度

「…帰ってくれ」

「え…、何で?」

俺は、プールの真ん中へと行く。

「良いから、帰ってくれ」

皐月は、納得が行かないのか、聞いてくる。

「どうして?!だって、隼人と話すために私は」

「僕は!君と話すことは無い!」

今また近づいたら、また首に手をかけるかもしれない。

また、皐月を殺そうもするかもしれない。

「帰ってくれ、でないとお前に何をするか分からない!」

お願いだ……。

僕から離れてくれ。

僕の頬に涙が伝った。

「……嫌だ」

皐月は、プールの中に再び入り、僕に近づいてくる。

「ぼ、僕のさっきの行動見ただろ!お前を殺そうとしたんだぞ!」

「そんなの構わない!」

「え…」

皐月は、僕の目の前まで歩いてくる。

「私は、隼人と話すために来た。なら、それも踏まえて隼人が何を抱えているのか、ちゃんと話したい」

「お前…ばかだろ!」

僕は、手が動かないように抑える。

「いい加減にしろよ!僕がお前の傍に居たら、僕はお前を殺すかもしれないって言ってるのに!!」

「だから、私を突き放したの?」

「!」

「私は、隼人には傍にいて欲しい」

皐月は、僕とのわずかな距離を縮めた後、僕を抱きしめた。

「…」

「さっきの隼人は、私を母さんと間違えていたんでしょ?」

「…それは…」

皐月は、俺の髪を優しく撫でる。

「隼人が抱えていること、何を思っているのか、ちゃんと私に話を聞かせて、一人で抱え込まないで」

「…皐月…。でも僕は……」

「私は、隼人が好き」

「えっ!」

僕の頬が熱くなる。