あの頃の想いをもう一度

僕は、母さんの首に手をかけ力を込める。

母さんは、低く声を上げる。

僕は、そのままプールの方へと歩き、母さんごとプールの中へと入った。

「死ね…死ね!」

何で僕の前に現れた!

何で僕なんかに構う!!

母さんは、息苦しそうに沈んでいく。

「お前なんか…!」

「隼人!」

「えっ……」

皐月の声が聞こえた。

「何で、皐月の声が……」

瞬きをした時、目の前にいるのは母さんではなく、皐月だということに気づいた。

「なっ!」

僕は、皐月の体を抱き上げ水面へと上がる。

「はぁ…はぁ…」

「げほ…げほ…はぁ…はぁ」

僕は、母さんではなく、皐月を殺そうとしていたことに気づいた。

「ま、また僕は……」

ほら、やっぱり。

僕は、皐月の傍にいちゃ駄目だ。

だって、現に皐月を殺そうとした。

「ごめん……皐月」

皐月をプールサイドへと上げ、僕は皐月から距離を取る。

「げほ…、隼人…はぁ…、どうしたの?」

皐月の首には、僕の手跡が付いていた。