お姫さまがきるようは高級な布。
キラキラ輝いて、天津神にでもなったみたいだ。
「……綺麗」
思わずそうつぶやいて、どうしようもなく胸が締め付けられた。
一一彼がくれたのだ。
綺麗だと、褒めてくれた。
あのとろけるような笑みで。
嬉しかった。
たまらなく満たされた。
ああそうだ、わたしは彼が一一
「……忘れなきゃなぁ」
この初めての想いは。
「望みがうすすぎる」
理性は、かなりあっさりとしていた。
何の可能性も望めない。だから、忘れなきゃ。
私情と仕事を一緒にしてはならない。
わたしのような弱小な鬼如きが、神に逆らって生きてけるほど優しい世界ではないのだ。
こんな下らない一時の感情に流されて、任務をこなせなかったら嫌だ。



