「相手は中国神話の女神なのだ…」
それは大問題だ。国際問題だ。
「しかも中国神話の最高神の娘なのだ。向こうも許してくれそうにない」
わぁあ、最高神のご息女ご子息同士とは。
「今回のこの仕事だって、僕と彼女を引き離すためだ。…まあ、そうそう諦められるはずがないが」
「そんな深い愛なのですね」
「ああ。機織りがすごくうまいんだ。織姫という」
よほど好きなのだろう、嬉しそうに彼女を思い浮かべている。
彼は心底嬉しそうなのに、わたしは反比例していた。
すごく、笑えない。
悲しくも無いのに泣きそうだ。
鼻の奥がツンとして、心臓が嫌に重い。
彼の笑顔が一一どうしようもなく、辛い。
「……ん?どうかしたかい?」
「……」
声を出したくなくて、ふるふると首をふる。
どうしたんだろう、わたし。
さっきまで楽しかったはずなのに。
霊力が足りなくなってきたのかな。
やっぱり日の当たるここは、怨念の塊には合わないのだろうか。



