「どれがいい?」
「……なぜあたりまえのように買っていただく流れに…結構です」
「君がかわいいものを持っている光景が見たいんだ。協力してくれないか?」
にこにこと、嘘みたいに眩しい笑顔でそう言われる。
この笑みに弱いわたしはうっと詰まって、そっと真っ白なうさぎを指さした。
耳が私の角に似ている。
「あ、似合いそう」
お金を払って、ひょいと私に渡してくれる。
「ありがとうございます……」
かわいいかわいい。
近くで見ても、細かくて小さくてとてもかわいい。
「うんうん、似合うね。なんとも愛らしいよ。君は」
「は、恥ずかしいこと言わないでください」



