「…その、申し訳ございません」
「ふふ、君は本当におかしいな」
風呂敷にかざした手が仄かに明るく光る。
改変しているのだ。
人前ではやめろと言ったのに。
「こういうときは、お礼をいうものだよ。覚えておくといい」
風呂敷を解き、着物を取り出す。
「ふふ、君に似合うだろうと想像したらうまく出来た。こんなに上手に出来たのは初めてだ!」
さっと風になびかせば、わたしの採寸になっていた。
「着替えてくるといい」
近くの草むらを指さされる。
……今すぐか。
わくわく、と言った感じの彼を無碍にはできず、わたしはその着物に着替えた。
手足が泥だらけだったので、すこし私もからだをいじって泥たちをとばした。
髪の毛も少し整える。
「着替えたかい!?」
おずおずと出てくれば、黙った。



