課長の瞳で凍死します ~旅支度編~

「考えたんだが、新幹線や特急のチケットを取り替えるのも大変だし。
 そのあとも全部予定狂うしな。

 他もキャンセルとなったら、手数料がかかるかもしれないし。
 一人分でも浮かせた方がいいだろう」

 ひいいいいっ。

 合理的過ぎるっ。

「俺は先に松坂牛を食べながら、ビール呑んでるから」

 夢と同じだっ。
 いや、ビールまで増えているっ!

 引きつりながらバスに乗ったが、笑う雅喜は、座席に座ると、すぐに手を離してしまった。

 雅喜の方が前に居たはずなのに、気がつけば、真湖が窓際に座っている。

 この人、あのお義母様のせいか、こういうエスコートがスムーズだよな、と思いながら、ちらと横の雅喜を窺った。

 いいかな?
 いいだろうか。

 新婚旅行だし。

 勇気を出して、ちんまり、雅喜の手の上に自らの手を重ねてみた。

 すぐに手を離してしまって、なんだか寂しかったからだ。

 だが、すぐに払われる。

「なんなんですかっ、課長ーっ。
 新婚旅行なんですよーっ」