課長の瞳で凍死します ~旅支度編~

「沢田」
と呼びかけられ、顔を上げると、いきなりキスされた。

 意表を突かれている間に、雅喜は、真湖の目を見つめ、暗示をかけるように言ってくる。

「大丈夫だ。
 もう夢の中で失敗したんだ。

 現実の新婚旅行は失敗しない」

 ……そ、そうか?
 そうだろうか。

 なんだか不安なんだが、と思っていると、真湖の顔を眺めていた雅喜もだんだん不安になってきたらしく、顔をしかめ、言ってきた。

「大丈夫だ。
 結婚式だって、予行演習をやる。

 失敗したら、これは予行演習だったと思って、もう一度行けばいいじゃないか」
と言ってきた。

「そ、そうですね(?)」

 いいのか、その結論で、と思いながらも、夢とは違いやさしい雅喜に、ちょっと、ほっとする。