課長の瞳で凍死します ~旅支度編~

「あれだけ楽しみにしてたのに。
 バスに乗り遅れて、新幹線乗り間違って、課長に置いてかれて、宇宙に行こうとする夢見たんですよ~」
と言うと、

「……何故、そこで宇宙に行く」
と言われた。

「課長っ。
 私と一緒に新婚旅行に行ってくださいーっ」

 見捨てないでっ、と抱きついたまま離れないでいると、雅喜は、

「いや、お前と行かないと、そもそも新婚旅行にならないと思うんだが」
と冷静に言ってきた。

「それだと俺の一人旅だろ」

 ま、まあ、そうですね。

「第一、そこでお前を置いていくほど、俺も非情じゃない」
と雅喜は言うが。

「いえ。
 課長のことです。

 獅子が崖から子を突き落とすように、私を鍛えようとするかもしれないじゃないですかっ」
と訴えると、

「お前、俺の子じゃないだろうが……」
と言う。