課長の瞳で凍死します ~旅支度編~

「あの、今、走り去ったのぞみに追いつきたいんですが。
 どうしたら、いいでしょうか」

「え……えーと」

 新幹線に? という顔を駅員さんはする。

「リニアモーターカーって、その辺走ってなかったでしたっけ?」

「……ないですね」

「じゃあ、飛行機に乗りたいんですが」

「あ、じゃあまず、在来線に乗って、バスに乗り換えて空港に……」

 ようやくまともなことを言ってくれたか、と駅員さんは、笑顔で説明しようとしてくれたが。

 いや、それでは時間がかかり過ぎる、と思った真湖は、
「宇宙エレベーターって、もう出来てましたっけ?」
と訊いてみた。

「……宇宙に行きたいんですか?」

「いえ、伊勢ですけど」

 新幹線以上のすごい乗り物と言うと、あと、それしか思い浮かばなかったのだ。