課長の瞳で凍死します ~旅支度編~

 



 駅に着いた真湖は、いつもは、ぼうっと乗っているエスカレーターを駆け上がる。

「つ、着きましたっ。
 今から、ホームですっ」
とスマホで雅喜に向かって、叫んだ。

『急いで乗れっ、沢田っ』
「はいっ」

 真湖がホームに上がると、ちょうど、発車ベルが鳴り、扉が閉まろうとしているところだった。

 いやあああああっ。
 待ってーっ、と慌てて飛び乗る。

 しばらく、喉がカラカラで、息するのも苦しいくらいだった。

 前のめりになって、ぜいぜい言っていると、デッキに飛び乗ったときに切ったスマホが鳴っている。

『……お前、何処に乗っている?』
「は?」

「とりあえず、手近な車両に」
と何号車と何号車の間のデッキに居ると告げたが、

『居ないぞ』
と言われる。

 もしかして……。

 ちょうど、切符拝見と座席を見て回っている車掌さんが通りかかった。

「あの、この新幹線、なんなんですか?」

 いや、なんなんですかってのも変だなと思いながら、訊いてみた。