桜の花びら、舞い降りた


メリーゴーランドを縦に……?
その画を想像して首を傾げる。

随分と乱暴だ。
なんて突拍子もないことを思いつくんだろう。
よくそんなことをしようと思ったものだ。


「……圭吾さん、変なこと知ってるんだね」

「変なこと? ひどいなぁ、亜子ちゃん。せっかく気を紛らわせようとしてるのに」

「……そうなの? ごめんね」


圭吾さんが顔をしかめるから、慌てて謝った。


「ところで亜子ちゃん、寒くない?」

「ちょっと寒いよね」


考えてみれば、ここは外も同然。
観覧車の窓の上には隙間が開いていて、そこから冷たい風が吹き込んでいるのだから。
当然暖房なんてついていない。


「こっちにおいでよ」

「え?」

圭吾さんがシートの右脇にスペースを作って、そこをポンと叩いた。

隣に……?
と、とんでもない!

こんな状態下で圭吾さんとそんなにくっついたら心臓が止まるに違いない。
ただでさえ、この密室に息がつまりそうだというのに。