「こうしていれば、少しは怖くないんじゃない?」
――いやいやいや。
それでは逆効果だということに、圭吾さんはまったく気づく様子もない。
「心が不安定なときは、こうして手を握ってもらうと安心するっていうから」
その心理作戦は、この状況下では間違えているかもしれない。
圭吾さんの言うことに反比例して、胸が張りつめていく。
安心しているどころじゃない。
耳の奥では鼓動がドクンドクンと響く。
それは、全身が心臓にでもなったんじゃないかと思えるほどだった。
「亜子ちゃんは知ってる? 観覧車がどうしてできたのか」
「え? ……あ、ううん」
突然、圭吾さんが話を振るものだからどぎまぎしてしまった。
「一番最初に乗った乗り物あったよね?」
「……メリーゴーランド?」
圭吾さんがうなずく。
「それを立てて回したらどうなるかって、実験的に作ってみたら成功したんだってよ」



