私と一緒では大した乗り物には乗れないけど、このまま帰るなんてちょっと寂しい。
「なにか乗ろうよ」
ベンチから立ち上がると、圭吾さんも「そうだな」と続いた。
雪が降り始めたせいか、園内から人がどんどん減っていく。
徐々に閑散としていく中、圭吾さんと並んで歩いていると、彼がふと足を止めた。
「これは? スピードも速くないし」
観覧車の前だった。
確かにスピードはゆっくり。
でも、ずいぶんと高いな……。
徐々に顔を上げていくと、てっぺんは雪に霞んで見えないほどだ。
返事をしないでいると、圭吾さんが「無理?」と私の顔を覗き込んだ。
「あ……ううん。大丈夫だよ」
うっかりうなずいてしまった。
私には遥か彼方にすら思える頂点。
あそこに自分が行くことを想像しただけでクラクラしてくる。
実は、絶叫系だけでなく高いところも苦手なのだ。
でも、ほかに圭吾さんも楽しんでもらえるような乗り物はなさそうだし……。
ここはひとつ、私が頑張るしかない。
あのジェットコースターに乗れたのだ。
大丈夫。……たぶん。



