今さらそんなことを聞かれたところで、ここまでガッチリ体を固定されてしまってからじゃどうにもならない。
そうこうしているうちに、ブーという私には不快に聞こえるブザー音と共にコースターが一気に空に向かって飛び出した。
息もつけないスピードだった。
目をギュッと閉じ暗闇の中を左右に体を振られながら、私はただ早く終わることだけを祈っていた。
時々頭をシートにぶつけながら、なんとか意識を保つことだけに集中する。
圭吾さんが隣でなにか叫んでいるのは分かったけれど、私は自分のことだけで精一杯だった。
そして、プシューという音と共にようやくコースターが停止し、悪夢のような時間が終わった。
「亜子ちゃん、降りるよ」
ゆっくり目を開けると、先に降りた圭吾さんが放心状態の私に手を差し述べていた。
それ……握るの……?
一瞬ためらったものの、断ってひとりで降りられる保証も余裕もない。
ところが、意を決してその手を取ったのに、コースターから降りた途端、あっさりと手は解かれた。
少しでも迷ったことが恥ずかしい。
すると今度は、膝がガクガクしてうまく歩けない。
「歩ける?」
……無理だ。



