「浮かない顔してどうかした?」
どうしたもこうしたもない。
こんなの乗ったこともないよ。
「もしかして初めて?」
素直にうなずいた。
「大丈夫だよ。俺も初めてだから」
圭吾さんが私の肩をポンポン叩く。
絶叫系が好きそうな圭吾さんと一緒にしないでほしい。
私たちの前を轟音と共に駆け抜けていくコースター。
それを見ただけで、足が震えてくる。
あれに乗るの……?
想像もしたくなかった。
そして、私たちの順番はあっという間にきてしまった。
嫌なものを待っているときほど、時間が早く過ぎることはない。
ぴったりと体にフィットする硬めのシートに腰を下ろすと、レバーが肩までゆっくり下りてきた。
もう逃げられない。
そう思うと全身から血の気が引いていくのが分かった。
「大丈夫?」
圭吾さんが心配そうに私の顔を覗き込む。
私は頭を横にブンブン振った。
大丈夫なわけがない。



