園内を指差して歩き出した。
そのあとを追うように足を出し、圭吾さんの隣に並ぶ。
「これだけあると、なにから乗るか迷うな……。亜子ちゃんはどれから乗りたい?」
圭吾さんの白い息が空気に溶ける。
その息さえも凍りつくんじゃないかと思うほど寒い。
頬も耳もキンキンだ。
「うーん、どれにしようかな」
ぐるっと園内を見回す。
実は絶叫系の乗り物は苦手な私。
できれば、スロースピードの乗り物がいい。
「……あれがいい、かな……」
私が指差したのは、メリーゴーランドだった。
「よし、行こう」
普段ならちびっ子がたくさん並んでいそうなものだけど、この空模様のせいか、子供連れの家族はほとんど見られない。
人出の割に、メリーゴーランドはガラガラだった。
係員に誘導されて、私たちは隣り合った馬にまたがる。
周りを見ると、ほかのお客さんは誰も乗っていなかった。
私たちだけの貸切状態だ。



