桜の花びら、舞い降りた


「こちらは、次回お使いいただけるペア入園券と当遊園地のキャラクターのぬいぐるみです」


花束で両手がいっぱいの私に代わって、圭吾さんが手を出した。


「記念に写真を撮影させていただいてもよろしいでしょうか」


すでにカメラを構えた男性スタッフが「こちらを見てくださーい」と右手を上げる。
されるがままになっているうちに、パネルの前で写真を撮られた。


「よろしかったら、お荷物はお帰りになるときまでお預かりいたしましょうか? お写真もそのときご一緒にお渡しいたします」

「あ、はい、お願いします……」


終始呆気に取られたまま“歓迎の会”が終わった。
潮が引くかのごとくスタッフたちが去ると、圭吾さんと私は顔を見合わせた。


「ビックリしちゃった」

「だね」


賑やかなあとの静けさは、まるで夏の夜の花火みたいだ。


「じゃ……行こっか」


一拍置くように言ってから、圭吾さんがにっこり笑う。