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その週末のこと。
俊さんにもらった入園パスを握りしめ、私たちはドリームワールドへ来ていた。
受付ブースで入園チケットに交換してもらい、エントランスへ向かう。
圭吾さんは、大きなアーチの向こうに見える乗り物を見て茫然としていた。
「……すごいな」
まだ中にも入っていないのに、そう言ったまま動かなくなる。
遊園地は大正時代からあると聞いたことがあるから、初めて来たというわけじゃないはず。
たぶん、圭吾さんが生きてきた時代の遊園地は、これよりもっと簡素なものだったんだろう。
「圭吾さん、行こう」
先に歩き出した私は、振り返って圭吾さんを手招きした。
今は降っていないものの、空は今にも雪が降り出しそうな、どんよりとした分厚い雲に覆われている。
風はないけれど、じっとしていると足先から凍ってしまいそうなほど寒かった。
それでも休日ということもあって、入園ゲートには列ができていた。
その最後尾に並び順番を待つ。
「どれから乗るか迷うなぁ」
受付ブースでもらった案内図を見ながら、圭吾さんは笑った。



