桜の花びら、舞い降りた


◇◇◇

その週末のこと。
俊さんにもらった入園パスを握りしめ、私たちはドリームワールドへ来ていた。

受付ブースで入園チケットに交換してもらい、エントランスへ向かう。
圭吾さんは、大きなアーチの向こうに見える乗り物を見て茫然としていた。


「……すごいな」


まだ中にも入っていないのに、そう言ったまま動かなくなる。
遊園地は大正時代からあると聞いたことがあるから、初めて来たというわけじゃないはず。
たぶん、圭吾さんが生きてきた時代の遊園地は、これよりもっと簡素なものだったんだろう。


「圭吾さん、行こう」


先に歩き出した私は、振り返って圭吾さんを手招きした。

今は降っていないものの、空は今にも雪が降り出しそうな、どんよりとした分厚い雲に覆われている。
風はないけれど、じっとしていると足先から凍ってしまいそうなほど寒かった。
それでも休日ということもあって、入園ゲートには列ができていた。
その最後尾に並び順番を待つ。


「どれから乗るか迷うなぁ」


受付ブースでもらった案内図を見ながら、圭吾さんは笑った。