桜の花びら、舞い降りた


「どういう意味ですか」


“斬新”という言葉の使い方に逆に感心してしまった。
ものは言いようとは、このことだ。
俊さんから絵を奪い返して胸に抱えたところで、絵の具が半乾きだったことを思い出した。


「あーっ……」


茶色い絵の具が胸元に付いてしまった。
もう……これだから絵なんて……。

ぐしゃっと握りつぶそうとしたところで、「待って!」という圭吾さんの声が飛ぶ。
手を止めて圭吾さんを見た。


「その絵、もらってもいい?」

「……え?」


こんな絵をもらってどうするというのか。
ポカンとする私に圭吾さんは微笑んだ。


「自分の絵を描いてもらったのは初めてだから」

「でも……」


圭吾さんにはとてもじゃないけど見えない。


「いらないんだよね?」

「……うん」


今すぐ抹消したいくらいだ。