無理して誉めているのがありありだ。
圭吾さんもきっと今頃、私に描かせたことを後悔しているだろう。
もうこの絵の話は終わりにしたい。
そう思って絵を捨てようと手を伸ばしたときだった。
「うわ、このひどい絵はなんだ?」
一拍早く伸びてきた手が、私の絵を持ち上げた。
俊さんだ。
それより、『ひどい絵』はあまりにも酷評だと思う。
私が自分の絵をそう評価するのはよしとしても、俊さんがそう言うのはあんまりだ。
画家の俊さんから見たら、ほとんどの人がへたくそだろうに。
……まぁ、その中でも私は最下位レベルだけど。
「なんの抽象画だ」
「抽象画じゃありません」
ブスッとして答える。
「まさかとは思うが、これは人か?」
「そうです」
半ばからかうように聞く俊さんに、きっぱりとうなずいた。
「色使いといい構図といい、斬新だな」



