桜の花びら、舞い降りた


「イーゼルらしきものがあるから、もしかしてと思って」


“らしき”……?
当てずっぽうに言ってみただけみたいだ。
イーゼルすら、それには見えないらしい。


「ごめん、違うか。えっとじゃあ……」


圭吾さんが、なんだろうかと推察を始める。
けれど、なにひとつこの絵に見合う答えを見つけられなくて、唸ったまま固まってしまった。
それほど私の絵はひどいということだ。


「圭吾さんだよ」


自分の腕前は痛いくらいわかっていただけに、こうなる覚悟はできていた。
私がボソッと言うと、圭吾さんは何度か瞬きを繰り返してからパッと顔を明るくした。


「やっぱりそうか」

「……見えないだろうけど」

「いや、見えなくないよ。うん」

「無理しなくてもいいよ。自分で分かってるし」


だから描きたくなかったのだ。


「個性的でいいんじゃないかな」