「え!?」
驚いてのけ反る。
「いやいやいやいや……」
両手を胸の前で振って断りのポーズを取る。
絵は小さな頃から大の苦手。
形も色合いも、学校の先生が首を傾げてしまうほど。
どうも美的センスは壊滅的らしい。
だから、とてもじゃないけど圭吾さんと並んで絵なんて描けないのだ。
しかも、こんなに上手な絵の隣なんて拷問に近い。
「そんなこと言わずにさ。ちょっと付き合ってよ」
私の言葉は圭吾さんに届いていないらしい。
彼は、ご丁寧にもう一台のイーゼルを部屋の隅から運び出した。
用紙をそこに立てかけ、「はい」と絵筆をにっこりしながら差し出す。
とびきりの笑顔を向けられたものだから、私もついうっかりそれを受け取ってしまった。
「……って、違うの! 無理だってば!」
突き返してみたものの、圭吾さんは「いいからいいから」と言うばかり。
私の拒否反応にもめげず、圭吾さんは再び絵筆を紙に走らせ始めてしまった。



