桜の花びら、舞い降りた


「亜子は人見知りで大変だったのよ」

「……そうなの?」


そんな話は初めて聞いた。


「お父さんとお母さん以外はいっさい受け付けなくて、よく泣いていたわ」


そのときのことを思い出しているのか、お母さんは写真を見ながら遠い目をした。
そうしてお母さんがページをめくるのを眺めていると、ある写真が目に留まった。


「この人、誰?」


それは、私のことを年配の男性が抱っこしている写真だった。
バックには遊具らしきものが見えるから、公園かどこかで撮ったものみたいだ。
その男の人は、優しそうな笑みを浮かべている。


「うーん……?」


お母さんがアルバムに顔を近づける。


「親戚じゃないわね……。誰だったかしら……」


写真に収めてアルバムにも大切に貼っておきながら、身に覚えがないらしい。

私はもう一度写真をじっくりと見た。
なんだか不思議な気がする。