「これ、どうしたの?」
「個展のスポンサーからもらった」
「え!? 俊さん、スポンサーがついてるの!?」
「食いつくのはそこかよ」
俊さんはまるでコントのように片足をずるっと滑らせた。
でも驚いたのは、そっちだったのだから仕方ない。
個展は誰でも開けるということは分かった。
ただ、俊さんにはスポンサーまでついているのだ。
これを驚かずして、なにに驚くというのか。
「それ、やるよ」
俊さんが顎を突き出す仕草をする。
「やるって?」
「だから、ふたりで行ってこいってことだ」
俊さんに交互に指をさされた圭吾さんと私は、揃って「え?」と聞き返した。
「俺は遊園地に興味はない。ほかにやるやつもいなければ、一緒に行きたいやつもいない。だからふたりにやる。それだけだ」
淡々と理由を述べると、俊さんはコートを脱いでキッチンへ向かった。



