私がカップに注ごうと、圭吾さんの合図でティポットに手を伸ばしたところで、同じく伸びてきた圭吾さんの手とぶつかってしまった。
瞬間、静電気でも走ったかのように指先が痺れる。
咄嗟に手を引っ込めると、圭吾さんが「ごめん」と謝った。
……なに、今の。
一瞬、なにかが頭をよぎったような気がする。
それがなんなのかはわからないけれど。
「あ、ううん……」
微妙な空気を作ってしまった。
それになんだか胸までドキドキする。
たかだかちょっと手が触れ合ったくらいなのに。
そのくらい、クラスメイトの男子とだってあるっていうのに。
ぎこちなくなってしまった空気から逃れようと、紅茶は圭吾さんに任せてテーブルのほうへ戻った。
しばらくすると圭吾さんがカップをふたつ持ってきた。
さっき座っていた椅子に座り、私の前にカップを「どうぞ」と置く。
「……ありがと」
俯いたままお礼を言い、手持無沙汰から即座に口を付ける。
「――アチッ!」
意識が別のほうにあったせいで、熱いことを忘れていた。
私、どうかしてる。



