「亜子ちゃん? 大丈夫?」
パッと目を開けてみれば、そこには心配そうな顔をする圭吾さんがいた。
「――あ、ごめんね」
つらいのは圭吾さんのほうだ。
慌てて笑顔を浮かべた。
「紅茶でも飲む?」
このアトリエにもすっかり慣れたようで、圭吾さんは昨日あたりから俊さんに代わって紅茶を淹れたりしてくれている。
しかも、俊さんが淹れるよりも美味しい。
これは絶対に俊さんには言えないけれど。
「私も手伝う」
圭吾さんのあとについていき、ヤカンに水を入れた。
圭吾さんはティポットとカップを沸いたお湯で温めてから、ティポットに茶葉を投入した。
なるほど。
俊さんはいちいちそんなことをしてはいない。
そのひと手間が美味しくさせるコツだったのか。
「よし、もういいだろう」



